2026.05.22
決算書の読み方
創業者必見!10年後も生き残る会社になる為の決算書の見方・考え方|PL・BS・資金繰りの本質

おはようございます。まちの経営企画の伊藤です。
先日、とある事業者様の決算書を見たとき、「赤信号(このままだと危ないかも)」と直感的に感じました。
なぜそう感じたのか。自分の中で感じていたことを言語化していったときに、「会社は誰に為にあるか?」というフレーズが浮かんできました。
今回は、決算書という数字の世界を少し哲学的な視点で見てみたいと思います。
スピリチュアルに詳しい方ならば、「人間の内面世界が現実を作る」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
決算書という現実的な数字も、経営者たちの内面世界が作り出しているもの。
つまり、「経営者の価値観の写し鏡が決算書である」という見方もできるのではないかと思っています。
私はこの発想を以て、善悪のジャッジをするつもりはありません。
このように捉えられるようになると、いま現実に起きている逆境を乗り越えるヒントになるかも知れません。
・これから創業を考えている方
・経営に行き詰まりを感じている2代目・3代目の経営者の方
そのような方へのメッセージになればと思い、この記事を書きました。
この決算書を見て何故「赤信号」と感じたか?
決算書の中身は、大きく2つ。
- BS(貸借対照表・バランスシート)
- PL(損益計算書)
そして、トップの人間性は「お金の使い方」に現れる。
稼いだお金、集めたお金を、「自分の為」に使うのか。あるいは「誰かの為」に使うのか。
そうしたことも、書面の中から読み取れてしまうのです。
冒頭で挙げた事業者様。まず気になったのが、固定資産の中に高級車が入っているのです。
「何故そんな事まで分かるの?」と突っ込まないでくださいね。
何十ページもある決算書の中の「固定資産台帳」を覗いてみれば、BS上の有形固定資産の内訳が漏れなく並んでます。
高級車を買うこと自体が悪いと言っている訳ではありません。
しかし、その高級車を買うための資金をどこから得ているか?
自己資金で買っているならば何も文句はありませんが、純資産の部を見てみると明らかに債務超過です。
そして、金融機関からの借入も数本ある。
ご本人にその自覚はないかも知れないですが、表面的には事業資金として借りたお金で高級車を買っていることになります。
その行動が、本当に金融機関との信頼関係に繋がっているのかどうか。
そして、債務超過ということはPLも営業赤字です。
でも、その赤字の要因を突き詰めていくと、役員報酬の取りすぎ(年商の約3分の1)だったりする訳です。
現状は売上も安定しているから何とか資金繰りも回っている状態ですが、景気後退の局面において一瞬で崩れかねない危険な体質と感じました。
会社は誰のものか?
ここで冒頭の話に戻します。
会社は一体、誰のものなのか?
結論を言えば、それに明確な回答なんてありません。
世間一般では、「そりゃ株主のものだろ!」とか「従業員のものです!」とか、堂々と断言しているのを聞くこともありますが。
私は別に「こうだ!」と決めつけるつもりはありません。
とはいうものの、昨今のオイルショックで物価が急騰する中、これから先は生き残れる会社とそうでない会社、両極端に分かれる気がしているのです。
会社は誰に為にあるか?
これは大きく分けて2パターンあると考えてます。
- 会社はオーナー(株主)のものである
- 会社は従業員のものである
これまで多くの中小企業様の支援をしてきた中で感じるのは、これから先も伸びるであろう会社の経営者は、圧倒的に後者の思想(会社は従業員のもの)が強いです。
経営者ご本人が意図するか否かに関係なく、決算書からそういうことが読み取れるのです。
そういう事業者様は、中小企業にもかかわらず上場企業に引けを取らない給与を払っている。
その上で、労働分配率(粗利益のうち人件費の占める割合)にも気を配り、黒字もキープして内部留保を厚くしている。
役員報酬は調整弁として、景気後退局面では下げ、景気の上昇局面でちゃんと上げている。
他者に与えるのが先。自分は後。
結局のところ、人に投資をしないと組織は変わらない。
そういうことを、器の大きい経営者は理解しているのだろうと思います。
逆に、債務超過や公租公課の滞納などで、ピンチの会社の経営者は、前者の思想(会社はオーナーのもの)が圧倒的に強い。
だから、会社が社員の雇用を守るための器ではなく、自分の生活を豊かにするための器になっている。
誤解しないでいただきたいのは、別にどっちが良いとか悪いとか、善悪のジャッジをしたい訳ではありません。
中小企業の場合ですと、オーナー(株主)=社長というパターンが_ほとんど。
なので、会社をどうマネジメントするかはオーナーの自由です。
しかし、これから先に生き残る企業を目指すならば、どこかで「会社は従業員のもの」という発想にシフトしなければならないと思うのです。
こんなことを言ってしまうと「俺は苦労して社員に給料払っているのに!なんて事言うんだ!」とお叱りの言葉を受けてしまうかも知れません。
でも、自分の「認識」と「行動」がズレてしまうのが人間です。
もし、今ピンチの局面に立っているならば、一度立ち止まって考える機会を設けてみると良いと思います。
自社の決算書の数字を俯瞰してみて、これまでの経営が「自分の為」だったのか「従業員の為」だったのか。
決して自分のことを責めたりジャッジしたりする必要はありません。
「今までの自分はこうだったんだなあ」と、冷静に只々観察する。
ある意味、会社の財務分析を通して瞑想をするようなイメージです。
決算書の分析方法は、今や本でもネットでも、いくらでも情報収集できます。
ぜひ一度、試してみることをお勧めいたします。
まとめ:これからの経営に必要なのは「循環」の視点である
会社経営も本来は循環で成り立っています。
利益を人に還元する。
設備へ投資する。
未来へ備える。
その循環があるからこそ、会社は持続します。
一方で、「今だけ」「金だけ」「自分だけ」に偏り始めると、循環が滞り財務体質は弱くなっていきます。
決算書を単なる数字の集まりと考えては非常にもったいないです。
経営者の価値観と、会社の循環構造を映し出す鏡なのだと思います。
そのような視点で、ぜひ内省をしてみてください。
