実績

2024.05.15

財務

AIに代替される仕事・されない仕事

ChatGPTをご存知の方はどれくらいいるでしょうか?

いわゆる「生成AI」というやつです。

生成AIとは、テキストや画像、動画や音楽などの創作物を自動で生成する技術のことです。

本メルマガのトップにある画像も、生成AIに作ってもらったものです。生成AIに対し、「こういう画像を作ってほしい」という指示を出すと、わずか数秒で画像を生成してくれるのです。

「AIによって世の中の半分の仕事が奪われる」という説が流布したこともありますが、それが段々と現実味を帯びてきた気もします。

AIに代替される仕事とはどのようなものか?
人間にしかできない仕事とは何なのか?

そのようなテーマでお話ししたいと思います。

本題の前に:付加価値について

例題です。

Aさんは50円で仕入れたりんごをアップルパイにして100円で販売しました。このとき、Aさんの付加価値はいくらになるでしょうか?

正解は「50円」です。

もし仕入れたりんごをそのまま右から左に流すだけならば、Aさんの付加価値は0円です。

Aさんが「りんごをアップルパイにする」という価値をつけたからこそ、50円の付加価値がもたらされたんです。

会計上は付加価値のことを「粗利益」と呼んだりもするんです。

さて、私が何を言いたいのかというと、今まで人間がもたらした付加価値が、これからはAIによって代替されるんではないか?ということです。

AIに代替される仕事とは?

マーケティング調査を行う株式会社クロス・マーケティングによる「生成AIに関する調査」によると、AIに代替されると思われる職業を聞いたところ、以下のような回答結果になったようです。

・財務・会計・経理:23%
・一般小売店の店員:22%
・運転手:19%
・データサイエンティスト:18%

上記はあくまでも調査結果なので、現実がどうなるかは分かりません。でも、単に「言われた通りのことだけをやる仕事」は代替されてもおかしくない、ということでしょう。

例えば、Webエンジニア、デザイナー・建築設計・士業なども該当するのではないでしょうか。

人間の付加価値創出活動が、生成AIによってゼロになる世の中。それが現実味を帯びてきたのではないでしょうか。

皆さんの会社経営にとっても、これは他人事ではないのかも知れません。

AIに代替できないものとは?

キーワードは「感情」です。

人間の付加価値創出の多くは、今後は生成AIによって代替されるかも知れません。

でも、それは表面的なニーズを満たすだけであり、それ以上でもそれ以下でもありません。

AIがもたらす価値で「心」が動くような体験は無いのではないでしょうか。

皆さまがこれまで「感動」を覚えた体験って、何でしょうか?

例えば、遊園地なんてどうでしょうか?

皆さんが子供のとき、ご両親に連れて行ってもらった時を思い出してください。あるいは、皆さんのお子様が、遊園地ではしゃいでいたときの様子を想像してみてください。

きっと、遊園地での体験に心が動いた方が多いのではないかと思います。

今のAIでは、人間の「ニーズ」を満たすことはできても、心を動かすことはできないのではないでしょうか。

この感覚を、自社に置き換えてみてください。

自社の商品・サービスが、目の前の顧客を感動させているか?

顧客が感動体験をしたならば、それはAIには代替不可能ですし、顧客が自社のことを見捨てることは決してないのではないでしょうか。

ぜひご参考にしていただければと思います。

もしさらに学びたい方は、 『付加価値のつくりかた』という書籍を読んでみてください。キーエンス出身のコンサルタントである田尻望氏がまとめたこの書籍。

付加価値とは何か?
付加価値創出の背景は、ニーズの裏側にある「感動」である。

こうしたことが非常に詳しくまとまった良書です。