2024.05.08
補助金
事業再構築補助金で成功する会社・失敗する会社
消滅するかと思っていた事業再構築補助金の公募が先月再開しました。この補助金の予算の大部分が他の制度に振り分けられているようなので、今回の第12回公募で最後の公募になるだろうと思われます。
コロナ禍で新たな事業への転換のために設けられた事業再構築補助金ですが、採択されたにも関わらず倒産する企業もあるのです。
東京商工リサーチの調査によると、事業再構築補助金の第1回~第7回公募で採択された事業者のうち63社が倒産したとのこと。
事業再構築補助金の採択企業63社が倒産、倒産発生率は0.12%
一体どういう企業が倒産してしまうのか。
私の視点で解説していきたいと思います。
これから補助金を活用したいと考える事業者様は、ぜひ参考にしていただければと思います。
そもそもの財務基盤が脆弱
採択企業63社の負債総額を見てみると、1億円以上5億円未満が24社、5億円以上10億円未満が12社とのこと。
当該企業が債務超過かどうかは分かりませんが、負債の絶対額が大きいですね。
なので、事業再構築補助金が採択された時点で、すでに財務基盤が脆弱だった可能性があります。
周りの士業(行政書士や中小企業診断士など)から、この補助金の支援状況を聞いてみると、「採択されたのに銀行がお金を貸してくれない」という意見も多かったです。
例えば、1億円で工場を建設する場合、5,000万円は補助金で賄えるかもしれませんが、残りの5,000万円は自社で調達するしかありません。手元に潤沢なキャッシュがないならば、銀行から借りざるを得ません。
5,000万円の借入金ができるだけの信用力がなければ、当然ながら銀行はお金を貸してくれません。
当社がセミナーでお伝えしている通り、正常先でなければお金を借りることは不可能です。
経営計画を自社で立てていない
経営計画とは、自社が目指す方向を書き起こしたもの。事業再構築補助金の採択は、経営計画の良し悪しで決まります。
本来ならば、経営計画はトップが自らの意思を持って書き起こすのが、あるべき姿です。
ただ非常に残念なことですが、この経営計画の「作文」を支援機関(士業や金融機関、商工会議所など)に丸投げしていたのが事業再構築補助金の実態です。
経営計画をトップ自ら立てていないのだから、その新事業が上手くいくのかどうか、分かるわけがありません。
事業再構築補助金で失敗する要因まとめ
・財務基盤がそもそも脆弱
・経営計画を自ら立てていない
もし今後、補助金の活用機会がある場合には、ぜひ念頭においていただければと思います。